2015年にInDesignから固定レイアウトePubの書き出しができるようになった。「伊豆だより」のInddレイアウトから固定レイアウトePubを出力して検証してみました。途中で埋込フォントの問題が出てきて、主要フォントであるモリサワパスポートに関して、サポートセンターへの問い合わせ記事のwebサイトがあり、現時点で「epubへの埋め込みは許諾外」ということです。
この問題をクリアするため、新たなファイルを小塚フォントをベースで作成しテストしていきます。テキストボックスに小塚ミン・小塚ゴファミリーで流し込み、固定レイアウトePubで書き出しました。.epubファイルをiPadへ読み込みiBooksで閲覧した画像で説明します。
1. 半角英数字は横になるので全角を使用。
2. フォントのアウトラインはしっかりとれて、拡大してもジャギーは出ない。
3. 2桁数字の縦横中は数字が消えてしまっている。Adobeのアナウンスでは縦横中もサポートできるとあったので、手動でかけたり自動縦横中にしたが、いずれもダメだった。
4. Indd上で組んだ表組も表示される。
5. ルビ表示はグループルビでもモノルビでも OK。
1. .epsと.tiff画像、.psd画像は設定によってpngに変換されので透明効果は活きている。
2. 画像ボックスに効果をかけた場合、反映されない場合がある。
3. .aiファイルを配置した場合、設定した解像度でラスタライズされ、画像として書き出されます。このため .aiファイル内の文字は拡大するとジャギーがかかる。
・OEBPSフォルダには1ページごとの.xhtmlファイルが生成され、他にfontやimage・video・cssフォルダなどが生成される。fontは許諾の有る無しに関わらず自動的に埋め込まれる。
・xhtmlでコードを見ると、1文字ずつ属性や位置情報が記述されている。
・表示されなかった縦中横の数字は消えていた。上記のような裏技で作る方が効率的。
InDesignCCにはfoliobuilderが入っていなかったので、確認したところ、「Adobe PublishをDPSに統合し、Adobe Digital Publishing Solutionで提供される」とのこと… DPSフォーラムなどに参加してきたものとしては、Adobeの一方的な対応に腹立たしい限りですが、固定レイアウトePubはなんとか使えそうな気がします。2024年11月からデジタルハリウッドで「リッチ電子ブック研究会」が不定期で開催されている。新しいノウハウが見つかることを期待したい。